【短篇】私と僕。~逆らっちゃダメ~
「あのっ!ケンちゃんはどこにいるかわかりませんか??」


あまり親しくないから、敬語で話す。


「ケンちゃん?『ケンちゃん』なら、2号館の階段の踊り場にいるよ。」

そこにいた女子はニヤニヤしながら、私に返事をした。


『ケンちゃん』を強調するような言い方で。



けど、そんなことは気にしないようにして一言「ありがとう。」と言って階段へ向かった。


2号館までは、少し時間がかかる。


走って行くと、疲れる。

だから、早足で向かった。


けど、気付くべきだった。


クラスの女子がニヤニヤして答えたわけを。


階段についたとき、目に入った光景。


女の子とケンちゃん。


私の知らないケンちゃんがいた―。
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