【短篇】私と僕。~逆らっちゃダメ~
男の子は足を止めた。


「こんなところに、呼んだ理由…。もう気付いてると思うけど…。」


「…………。」


「好きなんだ。いつも、クラスに来て『ケンちゃん』て呼ぶハナちゃんを見てたんだ。」


「え…。」


初めての告白。


私は、ドキンとした。


初めての告白だったからかな。


私に向けられた好意が、くすぐったかった。


知らない人であっても。

「ハナちゃんは、誰とも付き合ってないんだよね??」


「う…うん。」


「よかった!!」


目を細めて、歯を見せながらキレイに笑った。


「俺は、リョウ。これ、メアドとケー番。いつでもメールして。」


小さな紙を手渡された。

「じゃあ。俺、部活あるから…。返事待ってる。」


そう言い、私を残して部活へと行った。


階段を下りていった。


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