飛べない鳥
『純愛なんてあるわけないじゃない』
飛鳥がよく言うセリフだ。
僕は知っている。
彼女は本当は純愛を求めているって。
誰よりも純粋な恋愛がしたいと。
これでも小学4年生からの付き合いなんだから。
―飛鳥は小4のとき
隣町から引っ越してきた。
ポニーテールで背が小さくって
女子も男子も彼女に釘付けだった。
彼女の周りにはいつも人がたくさんいた。
彼女はそれが当然だと言うように笑っていた。