走り出してまだ10分も経っていないのにすでに私の知らない場所にいた

「どこ行こうとしてんの?ってかこれあんたのなの??」

私は猛スピードで走るバイクに振り落とされないよう
この男に手をまわしてしがみついていた

「あー??なんか言ったぁー??」

お前・・・病院行け

聞こえるように大きい声で言ったつもりだったが聞こえていないようだった

「だーかーらー!!どこ行くの!?これあんたのなの!?」

今度は確実に聞こえるように言ってやった

赤信号でバイクが止まった

「あー。これ俺のだよ」

「ほんとにー??」

高校生が持っているようなバイクには見えないけど

「んー。まぁ俺のっちゃ俺のだけど・・・正しくは俺の兄貴のだな」

「あんたお兄ちゃんいるんだ」

「んー。家には居ないけどな。」

「一人暮らししてんだ」

「・・・・まぁそんなとこ」

「ってか!どこ行こうとしてんのよ」

「ひみつー♪」

「きゃあ!!!」

赤信号で止まっていたバイクがまた猛スピードで走りだした



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