++外伝/偉大な緑の協力者~『選択』~++
「ううん、僕はこんなにも愛されているんだね。僕はこの道を進む! けれどお父さんの頼みも――」
「え……それではお前が大変に?」
「ううん、それも僕の道のための一つだと思えばいい。知識はあればそれだけ補助も出来る」
アザムは小さくレイを見て小さく頷いた。アザムがどういう思いでその答えを出したのか“父親”として分かったような気がした。
そしてレイはアザムを抱きしめ、視線を上げてベリルの瞳を見つめる。
「アザムは時間が許す範囲で知識を教えます。実はあの薬、数年前から病院では副作用のせいで基本的に使っていない物です。瓶を見て副作用から押さえる薬や処置まで知っていたようですね。この子思っているほど頭悪くないですよ」
思っているほど頭悪くないと言われ“今ちょっと馬鹿にした”と顔を上げ睨みつけているアザム。
それよりも、レイの言葉に呆れて唖然としているベリル。
「私にもちょっとは分かります。仲介に伝手(つて)も交渉術も、情報屋並みの事も知っていて損は無いと思える。覚える事は沢山あると思います。それにきっとこう話していますが、私の我侭も考えての事。それを含めたら――」
「確かに! 仲介屋も危険を伴うし、情報屋と同じくらいの知識はあるほど良いし必要だ。無理やり詰め込んでも普通の人間でも軽く五年は掛かるぞ!」
ベリルはアザムが既に積み上げている知識のある“医者”とは違うと、呆れた口調のまま早口でレイに文句を言い首を横に振る。
「え……それではお前が大変に?」
「ううん、それも僕の道のための一つだと思えばいい。知識はあればそれだけ補助も出来る」
アザムは小さくレイを見て小さく頷いた。アザムがどういう思いでその答えを出したのか“父親”として分かったような気がした。
そしてレイはアザムを抱きしめ、視線を上げてベリルの瞳を見つめる。
「アザムは時間が許す範囲で知識を教えます。実はあの薬、数年前から病院では副作用のせいで基本的に使っていない物です。瓶を見て副作用から押さえる薬や処置まで知っていたようですね。この子思っているほど頭悪くないですよ」
思っているほど頭悪くないと言われ“今ちょっと馬鹿にした”と顔を上げ睨みつけているアザム。
それよりも、レイの言葉に呆れて唖然としているベリル。
「私にもちょっとは分かります。仲介に伝手(つて)も交渉術も、情報屋並みの事も知っていて損は無いと思える。覚える事は沢山あると思います。それにきっとこう話していますが、私の我侭も考えての事。それを含めたら――」
「確かに! 仲介屋も危険を伴うし、情報屋と同じくらいの知識はあるほど良いし必要だ。無理やり詰め込んでも普通の人間でも軽く五年は掛かるぞ!」
ベリルはアザムが既に積み上げている知識のある“医者”とは違うと、呆れた口調のまま早口でレイに文句を言い首を横に振る。