++外伝/偉大な緑の協力者~『選択』~++
 住居部分の隠された場所には銃器も数丁だが置いてある。現在使わないが有効だと思える薬剤も隠されていた。

 前病院のレドリーとの繋がりや協力は今もあり、ベリルと繋がっている病院の一つとして機能を果たせるように、他の病院や医師も協力をしてくれている。

 小児科、内科というのはある意味隠れ蓑であるため、普通手術はしていない。

 そのためベリルとその仲間に要請された時のみ、手術等を時に使う。
 外科の免許はあるが、規律が厳しい為、闇医者と変わらない事をしている。



 アザムが言っていたメイリンというのはまだ二十後半のアザム以外の看護師で、二年前にアザムの事も考慮し小児科内科の看護師として雇った。

 ある時の緊急要請で一人では少々無理がある傭兵が運ばれてきた。その時アザムが居なくメイリンがいる事に当時レイは困った。

 しかし彼女は“命優先”という言葉だけで何も言わず、補助をして動いてくれた。

 その後レイでは説明不足になりかねないので、ベリルを交えて製薬会社のことから今までの事を全てを話をした。
 しかし聞いた本人はあまり驚きも見せず“命の前では当たり前なのだから”と優しい顔をしていた。

 

 歳はアザムの方が近いのだが、メイリンなら……と心でずっと思っていた。
 
 メイリンの心の内は知らないけれど、レイの事をそう思っていればいいなという希望でもある。

 引き取った子どもの為に恋もしないで、その子どもにだけ沢山の愛情を捧げたレイ。
 その姿を一番身近に見ていたからこそ、そう願わずにはいられなかった。
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