星の流れに 風のなかに 宇宙(そら)の掌に

細いペンで綴られた

真璃亜の美しい文字を

見ながら僕は、



彼女はどんな女性なのだろう、

と思いを巡らせる。



まだ、顔も年齢もわからない。



知っているのは、

御茶ノ水の総合病院の精神科に



長い間、

彼女が入院していることと、



彼女の名前だけだ。



彼女と僕をつなぐ糸は、

そもそも



初めから何もないのだ。
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