星の流れに 風のなかに 宇宙(そら)の掌に
真璃亜の文章は、
僕の琴線に触れるような
透明な響きがあった。
行間から
清楚なさみしさが
漂っていた。
霧にひっそりぬれたような、
冷やりとしたさみしさ。
そのさみしさは、
真璃亜の手紙から抜け出して、
この部屋いっぱいに
広がって香った。
僕は呆然と目を開き、
冷たいコンクリートの壁に
もたれながら鉄格子を見上げ、
宙に浮かぶ
真璃亜の香りの端を探した。