星の流れに 風のなかに 宇宙(そら)の掌に
「風のない寒い朝、
空気の中の氷の結晶が
太陽の光を浴びて
キラキラ輝くんだ。
薄いピンク色に光ったり、
白く輝いたりして、
ほんとうに綺麗なんだ」。
強面の源さんが
うっとりした目をする。
ダイヤモンドダストという言葉が、
僕の空想の翼を膨らませた。
夜曲の終わりのような、
寒さに震える黎明に、
まるで星明りの微かな輝きのように
空気中に散りばめられたダイヤモンドダスト。
氷柱に光が当たるように七色の光を放ち、
水晶の雫のような微粒子となって
冷たい大気を突き破る。
繊細なガラスのような透明な響き。