蒼空の向うへ
「Dだけは6人居るからどうせ一人余るんだよ」


「おぉ、そっか」


疾風が皇に説明している間、有志は啓太から飴を没収していた。



「よーし、んじゃC対Dの試合始めるぞー」



皇がでかい声を張り上げて言えばコート上に10人の一年が入った。


Cはほとんど体格がいい奴らばかり。それに顔がニヤニヤと笑っていて、ぶっちゃけいうとかなりキモイと有志は思った。


どうやら、そう思ったのは有志だけではなかったらしく、他のやつらも渋い顔をしていた。


打って変わってDチーム。全員が笑っていた。

Cとは違う気持ち悪い笑いではなく、少し不安の残っている笑いだ。



「8分2ピリ。わかった?」


皇と疾風が一年の近くで説明している間、心の視線はずっと空に向いていた。


(出ないのかな・・?)

心は少なからず空に期待していた。他の奴とは違った空気をまとっていた空に。

まぁ、それもそのはず・・。何せ空は女なのだから・・。だが、それを知らないものにとって、空の雰囲気は興味の対象となっていたのだろう・・。





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