蒼空の向うへ
「ねぇ空。」


昼時で騒がしい廊下を雫の手を引っ張りながら歩く。


「本当に、入る気ないの?」


「・・・」


「男子バスケ部じゃないってわかったならいいじゃん」


「雫」


漸く人気のなくなった廊下


クルッと後ろを振り向き名がら、雫の目を真っ直ぐに見据えた。



「・・・いや、何でもない」


だけど、すぐに逸らして再び歩き出す。



「空・・」


そして雫になった廊下に僕と雫の歩く音だけが響き渡った。



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