蒼空の向うへ
「あぁ・・・えっと・・・確か」



「藍澤空。」



「あぁ、藍澤君か。そりゃぁ暗くもなるよ。だって勝てないんだから」



「勝てないの?」



何で?と思いながら首をかしげる。



「だって他の3チームはどこも強い人たちが集まってるじゃないか。僕たちみたいなのが勝てるわけないよ・・」


「そうだよね・・。Aチームなんて室井君と橋場君が居るし・・」

「Bチームに居るのって、最中(モナカ)だろ?」

「そうそう。俺あいつと同じ中学だったよ。Cチームに居るのは田中と佐藤だし・・」



「最中って随分と美味しそうな・・ハッ!いや、随分と珍しい名前だな・・。それに、田中と佐藤って日本で一番多い苗字じゃん。わかんないよ」



「「「「「ぶっ」」」」」

「え、何?」



「お、美味しそうって・・」

「本音駄々漏れ・・・」

「確かに多いよな・・・」

「俺も田中だし・・」

「え、俺も田中だぜ?」



「田中多っっっ!?」



「「「「「確かに!!!!」」」」」



「「「「「「ブッ・・あはははははははは!!!!」」」」」」




何故か僕も含め全員で笑い出した。いや、たいした事じゃないけど何か面白くって・・。



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