冷たい雨に咲く紅い花【前篇】
雨に濡れた理由
ー実織ー
冷たい雨が降り続く。
今朝から続く10月下旬の雨は、
いつもより帰りが遅くなった私を、
更に追い立てた。
でも、
街の灯が満ちていて、不安はなかった。
「あー!もうこんな時間!? テレビ始まっちゃう」
鮮やかなピンクのケータイで時間を見ると、
20:32の表示。
すると、
すぐにケータイが振動して、驚いた。
着信 ジュン兄〈ジュンニイ〉
その表示に
安心とマズい…と複雑な気持ちになる。
「ジュン兄、ちょっとバイト伸びちゃって。でももうすぐ帰るからーー」
慌てて聞かれてない説明までしていたら、
今朝から続く10月下旬の雨は、
いつもより帰りが遅くなった私を、
更に追い立てた。
でも、
街の灯が満ちていて、不安はなかった。
「あー!もうこんな時間!? テレビ始まっちゃう」
鮮やかなピンクのケータイで時間を見ると、
20:32の表示。
すると、
すぐにケータイが振動して、驚いた。
着信 ジュン兄〈ジュンニイ〉
その表示に
安心とマズい…と複雑な気持ちになる。
「ジュン兄、ちょっとバイト伸びちゃって。でももうすぐ帰るからーー」
慌てて聞かれてない説明までしていたら、
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