冷たい雨に咲く紅い花【前篇】

着替えが終わる頃には、
昼近くになっていた。


何度か静音が来たが、
仕事中と告げ、
ドアを開けなかった。



実織は、

来なかった。




気付くと、実織を気にしている自分。



滑稽だな。


突き放したのは、

自分なのにーー




なぜかイラついた。

よくわからない感情。



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