冷たい雨に咲く紅い花【前篇】



「…ぶ、くっ、くくく……」


火で少し赤くなった掌と、
角にぶつけて赤くなった手の甲を見て、


思わず、笑ってしまった。





今までとは違う、情けない笑いじゃない。 



何がおかしいのかよく分からなかったが、
なんだかおかしくて、




一人で窓の外と自分の掌を見て、俺は笑っていた。





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