冷たい雨に咲く紅い花【前篇】
「し、忍び込もうとしたんじゃないよっ。
紘夜の部屋にお花、飾ろうと思って……」
実織様は慌てて花を見せる。
ふわり
ゆらり
と、彩る花が実織様の腕の中で揺れる。
「花など飾る必要はない」
ピシャリと言い切る紘夜様。
「え?何で?こんなに綺麗なのに。
花が部屋に飾ってあったら、きっと心が和むよ?」
「和む必要は無い」
「大丈夫だよ!何も考えてないからっ。
紘夜の弱み握ろうなんて思ってないからーあっ……」
しまった、というように口を掌で覆う実織様。
実織様、もう遅いです……。
紘夜の部屋にお花、飾ろうと思って……」
実織様は慌てて花を見せる。
ふわり
ゆらり
と、彩る花が実織様の腕の中で揺れる。
「花など飾る必要はない」
ピシャリと言い切る紘夜様。
「え?何で?こんなに綺麗なのに。
花が部屋に飾ってあったら、きっと心が和むよ?」
「和む必要は無い」
「大丈夫だよ!何も考えてないからっ。
紘夜の弱み握ろうなんて思ってないからーあっ……」
しまった、というように口を掌で覆う実織様。
実織様、もう遅いです……。