冷たい雨に咲く紅い花【前篇】
「今日のパーティーは、久しぶりにご兄弟があちらの本宅に集まりますし、私も嬉しいです」
私の髪を真珠の飾りが付いた髪留めで結い上げる、静音さんの笑顔が鏡に映る。
「ーえ?あちらの本宅って…?
ここでパーティーするんじゃないの?」
思ってもいない展開に、私が戸惑っていると、
「ここは別宅だ。兄と姉はここから少し離れた本宅に住んでる。パーティーも本宅主催だ」
黒いシルエットの綺麗なスーツを着こなした紘夜が、
部屋の入り口に立っていた。
「紘夜様」
「…紘夜……」
悔しいけど、
紘夜はカッコ良かった。
長身で黒髪の紘夜は黒のスーツが似合っていて、思わず見惚れてしまう。
でも、それを気付かれたくなくて、
視線をそらし、
別のところに意識を持って行こうと私は必死だった。
私の髪を真珠の飾りが付いた髪留めで結い上げる、静音さんの笑顔が鏡に映る。
「ーえ?あちらの本宅って…?
ここでパーティーするんじゃないの?」
思ってもいない展開に、私が戸惑っていると、
「ここは別宅だ。兄と姉はここから少し離れた本宅に住んでる。パーティーも本宅主催だ」
黒いシルエットの綺麗なスーツを着こなした紘夜が、
部屋の入り口に立っていた。
「紘夜様」
「…紘夜……」
悔しいけど、
紘夜はカッコ良かった。
長身で黒髪の紘夜は黒のスーツが似合っていて、思わず見惚れてしまう。
でも、それを気付かれたくなくて、
視線をそらし、
別のところに意識を持って行こうと私は必死だった。