冷たい雨に咲く紅い花【前篇】
「いつまでそうしてるつもり?月でも見上げて、気分変えたら?」

「ーーえ?」


意外な、言葉。

月?

だって、今は雨が上がったばかりで、
月なんてーーと、

顔を夜空にあげる、
途中、

視界に入る、


紘夜の銃。




気付き、
ハッと、女の人の方を見ると、


通りの向こうの明りで、
女の人が、見えた。



長い漆黒の髪に紅い牡丹の花を飾り、
白いチャイナドレスが似合う、

とても綺麗な人だった。



< 324 / 413 >

この作品をシェア

pagetop