冷たい雨に咲く紅い花【前篇】
明るい通りに赤髪の男と牡丹の花の人が消え、
路地の奥に紘夜と大柄の男の姿が消えると、
辺りは私一人になり、静まりかえる。
距離にしたら、赤髪の男も大柄の男もすぐそこにいるけど、
姿が見えない。
今しかない。
そう思うと同時に、カラダが動いた。
紘夜の銃へ、と。
音を立てないように素早く拾い上げ、
スカートの後ろ腰に挟んで、制服のジャケットで隠した。
自分がこんなに機敏だとは思わなかった。
運動は好きな方だけど、
こんな時に、
さっきまで顔を上げる事さえ出来なかったのに、
でも、
今しかないチャンスだと、
そう、思ったから。
路地の奥に紘夜と大柄の男の姿が消えると、
辺りは私一人になり、静まりかえる。
距離にしたら、赤髪の男も大柄の男もすぐそこにいるけど、
姿が見えない。
今しかない。
そう思うと同時に、カラダが動いた。
紘夜の銃へ、と。
音を立てないように素早く拾い上げ、
スカートの後ろ腰に挟んで、制服のジャケットで隠した。
自分がこんなに機敏だとは思わなかった。
運動は好きな方だけど、
こんな時に、
さっきまで顔を上げる事さえ出来なかったのに、
でも、
今しかないチャンスだと、
そう、思ったから。