冷たい雨に咲く紅い花【前篇】
「ーーだがな、実織はお前には渡さない。
何があったか知らないが、危険な目にあわせるような男に大事な妹を渡せるか」
実織は、大事な妹。
幸せに、
普通に幸せになってほしい。
それだけを願う。
が、
「忘れたか?俺は諦めが悪い上に、敵がスゴい相手ほど燃えるタチだって」
不敵に笑う紘夜。
昔の無邪気な頃とも違う、
この前感じた嫌な雰囲気とも違う、
今の紘夜は、
揺るがないオトコの表情をしていた。
そうくるか…
小さくまたも零れる溜め息。
ひとつ、
ついたあと、
真っすぐに紘夜を見て、
「お前こそ忘れたか?
俺も諦めが悪い上に、敵がスゴい相手ほど燃えるタチだってこと」
俺もそう伝えると、
紘夜が、
そうだったな。と、笑った。
何があったか知らないが、危険な目にあわせるような男に大事な妹を渡せるか」
実織は、大事な妹。
幸せに、
普通に幸せになってほしい。
それだけを願う。
が、
「忘れたか?俺は諦めが悪い上に、敵がスゴい相手ほど燃えるタチだって」
不敵に笑う紘夜。
昔の無邪気な頃とも違う、
この前感じた嫌な雰囲気とも違う、
今の紘夜は、
揺るがないオトコの表情をしていた。
そうくるか…
小さくまたも零れる溜め息。
ひとつ、
ついたあと、
真っすぐに紘夜を見て、
「お前こそ忘れたか?
俺も諦めが悪い上に、敵がスゴい相手ほど燃えるタチだってこと」
俺もそう伝えると、
紘夜が、
そうだったな。と、笑った。