冷たい雨に咲く紅い花【前篇】
「なんだかあの二人似てるよね」
そう吉水さんがこっそり話していた。
なるほど、そうかも。
二人とも何がイラつくのかわからないけど、
いつの間にかジュン兄が
〝紘夜〟と呼ぶ様になっていて、
紘夜が〝準〟と呼ぶ様になっていたのが、
なんだか嬉しかった。
それだけで、今はいっか。
そう、思った。
紘夜の所に行く前や帰りに、静音さんの所に寄る様にした。
静音さんは、紘夜の状態を知らない。
静音さんは何も言わないけど、
心配しているのはわかったから……
だから、少しでも安心してほしくて、私はいつも以上に明るく静音さんに会いに行った。
「最近、紘夜仕事忙しくて相手してくれないんだよー」
「今日は会えるの。だから、何か紘夜に渡すものがあったら、私でよければ預かりますよ」
静音さんは、
私をいつも招き入れてくれる。
紘夜の話を優しく笑って、聞いてくれる。
後ろめたい気持ちはあったけど、
静音さんが紘夜を心配しつつも何も深く聞かないのも、
紘夜が静音さんをこれ以上心配させたくないのも、
分かる気がしたから、
私は、自分にできることを頑張ろうと、
そう思った。
そう吉水さんがこっそり話していた。
なるほど、そうかも。
二人とも何がイラつくのかわからないけど、
いつの間にかジュン兄が
〝紘夜〟と呼ぶ様になっていて、
紘夜が〝準〟と呼ぶ様になっていたのが、
なんだか嬉しかった。
それだけで、今はいっか。
そう、思った。
紘夜の所に行く前や帰りに、静音さんの所に寄る様にした。
静音さんは、紘夜の状態を知らない。
静音さんは何も言わないけど、
心配しているのはわかったから……
だから、少しでも安心してほしくて、私はいつも以上に明るく静音さんに会いに行った。
「最近、紘夜仕事忙しくて相手してくれないんだよー」
「今日は会えるの。だから、何か紘夜に渡すものがあったら、私でよければ預かりますよ」
静音さんは、
私をいつも招き入れてくれる。
紘夜の話を優しく笑って、聞いてくれる。
後ろめたい気持ちはあったけど、
静音さんが紘夜を心配しつつも何も深く聞かないのも、
紘夜が静音さんをこれ以上心配させたくないのも、
分かる気がしたから、
私は、自分にできることを頑張ろうと、
そう思った。