冷たい雨に咲く紅い花【前篇】
「緋……刃……?」


かすれる声で、
懐かしい名を呼ぶと、


「コーヤ」


そう、
俺の名を呼ぶ声は、

俺の知る、緋刃ではなかった。


鋭さを増し、
重みのある雰囲気。


赤く染めた髪。



「……お前もオレを裏切るのか?」


冷たい声で、
そう緋刃は俺に問うと、



容赦なく、



引き金をひいた。




< 395 / 413 >

この作品をシェア

pagetop