冷たい雨に咲く紅い花【前篇】


まるで、微笑ましい様子を見る様に、

静音さんは、
綺麗に微笑んでいた。



その優しい笑顔に、
私は抵抗する声を失い、


大人しく、
紘夜のグレー色のシャツの背中に、


視線を落とした。



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