冷たい雨に咲く紅い花【前篇】
「静音!余計な事は話す必要はない」

声に驚いて振り返ると、
扉のところに紘夜が立っていた。



び、びっくりした…
全然気付かなかった…



「そいつには、パーティーまでに覚えてもらう事があるだろ。さっさとしろ」

相変らずな態度で、紘夜は部屋に入って来た。



「申し訳ありません。おしゃべりが過ぎました」

「静音さんは悪くない。私が話してって頼んだの!」

「聞いてどうする、お前には関係ない事だ」

「そっ…」

そうだけど……



なんか、気になったからー…

紘夜の事が



それがどうしてなのかは、
よく分からないけど…



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