冷たい雨に咲く紅い花【前篇】

  †


ガタンッ

物音で、
ハッとなった。



どうやら、いつのまにか寝てしまったみたい。
窓際の椅子で膝を抱えたまま…。



今の物音は…?

そう思って、窓を開けた。


外は、相変わらず降り続く雨。



そして、

外に中途半端に止められた、黒い車。


その傍に、

雨に晒されたまま車に寄り掛かる、



紘夜が、いた。





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