冷たい雨に咲く紅い花【前篇】

紘夜は、はぁ、と溜め息をつくと、

「二の腕を刃物で切られた。傷口にタオルあてて、肩の近くを強く結んでくれ」

「は、はい!」


って、傷どこ……?


「今、シャツ脱ぐから、それで結んでくれ」

「えッ !?」


シャツ脱ぐって、

「待って!なんか着るもの持ってくるから」

「そんな事してたら、出血多量で倒れるぞ」


と、言い終わらないうちに、
紘夜はシャツを脱ぎはじめた。



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