ほら、笑って笑って
気付けば、公園に来ていた。
高層マンション近くの、噴水のある公園。
ここで常務に電話をかけて泣き崩れていた時、隼人さんに声をかけられた。
あの時は、最低な人だと思った。
でも今は、私の心に住み着いて離れてくれない。
私の胸を苦しめる人。
あの日から季節は移り変わり、風が寒く感じる。
だからかな?
それともたまたまなのか、公園には私以外誰もいない。
ゆっくりとベンチに腰を下ろす。