ほら、笑って笑って

「……」


どうしよう。

私、耳がおかしくなったのかな?

それとも、これ――夢?




「ごめん優衣ちゃん。今更こんな事伝えて。――迷惑?」


「!そんな…迷惑だなんて!私は、」

隼人さんの事が――。


慌てて否定はしたものの、上手く言葉が出てこない。

真剣な表情の隼人さんをじっと見つめながら、肩に力が入ってしまう。



どうしよう。

伝えたいのに、上手く息が出来ない。


頭の中でパニックを起こしていると、隼人さんがふっと微笑んだ。



「優衣ちゃん?」

「…は、はい?」


優しく微笑みながら、隼人さんはそっと私の手を握った。


「――/ ///」



「俺の恋人になってくれませんか ?」



まるで茹でタコみたいな私を見つめながら、甘い声で囁いた完璧過ぎる隼人さん。


はいと答えながら、
幸せ過ぎて――倒れそうだった。
< 110 / 304 >

この作品をシェア

pagetop