ほら、笑って笑って
4 隼人さんとの距離

「俺は、優衣ちゃんがいいんだ。」



「お邪魔します。」


「どうぞ、汚いけど。」



足を踏み入れたのは隼人さんのオフィス件自宅マンション。


誘われたまま、写真を見に来た。


オフィスとして使用している部屋に入ると、壁には沢山の写真が飾られていた。


風景に動物に、綺麗なモデルさんを撮影した物、とにかく沢山。


写真の事なんて全く分からない素人の私が見ても、思わず引き込まれてしまう。




「――すごい。」


気づいたら、そんな言葉が出ていた。



なんだろう。

例えば同じ花を見ても、私はただ綺麗と感じるだけだけど、隼人さんはどうしたらその花が一層綺麗に見えるかを考えているというか、分かっているというか。


とにかく物の捉え方が違うんだと。


バカな私でもすぐに分かる。



隼人さんは本当に写真が好きで、才能もあるんだと。

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