ほら、笑って笑って
「お待たせ優衣ちゃん。」
見入っていたら、隼人さんがコーヒーを持って来てくれた。
「熱いから、気をつけて。」
「あ、はい。ありがとうございます。」
ギクシャクしながら、マグカップを受け取る。
だって隼人さんの顔を見たら、緊張してきて――。
私、本当に、彼女になったの?
考え始めたら止まらない。
顔の熱が上がって火照ってくるのが分かる。
ああ、ヤバい。
意識し過ぎておかしくなりそう。
だけど隼人さんは、かなりテンパっている私に気づいていない様で、パラパラとフォトブックをめくり何かを探している。
「――///」
そんな隼人さんを見つめながら、ついつい顔が緩んでしまう。
ページをめくる動作や、コーヒーを飲む仕草が、それだけで絵になるくらい素敵。
胸がきゅーんとなってしまう。