ほら、笑って笑って
「それからもうひとつ。」
「……はい?」
隼人さんの優しい優しい瞳は、私を真っ直ぐに見つめる。
重なり合う手からは体温が感じられて、余計に鼓動が早くなる。
「俺は優衣ちゃんの事が頭から離れなかった。駄目だと言い聞かせたけど、忘れられなかった。本当に、心から優衣ちゃんが好きだ。
だから、贅沢かもしれないけど、優衣ちゃんの気持ちを聞かせて欲しい。」
「…はや、と…さん…///」
こんなに熱っぽい色っぽい隼人さんは初めてで、どう答えればいいか頭が回らなかった。
落ち着いて、落ち着いてと、自分に言い聞かせる。
だけど、明らかに顔は真っ赤になっていたし、上手く言葉が出ない口はパクパクしておかしいし。
ああーーーー!!
こんな時、社長位の大人な女性なら、スマートに自分の気持ちを伝えられるんだろうけど。
私には無理だーー!
テンパって、頭が働かない!
わたわたする私を見兼ねてか、隼人さんはクスリと笑い優しく微笑む。
「俺もしかして、とんでもない事聞いたかな?」