ほら、笑って笑って
新しい年を迎え、寒さもピーク。
エレベーターに乗ると、室内の暖かさにほっとする。
口元まで巻きつけていたマフラーを緩め、いつも通り7階のボタンを押した。
もうすぐ、付き合いだして3ヶ月。
社長にも何度か会ったけれど、隼人さんの言う通り私達の事を祝福してくれた。
どこまで、優しい人なのか……多少の不安は残るけど。
何より隼人さんの事を大事に思っているからだろうと、納得する事にした。
先にエントランスで呼び出しているから、いつも隼人さんは玄関の鍵を開けておいてくれる。
「――お邪魔します。」
声をかけながら中に入る。