ほら、笑って笑って
事務所の部屋を覗くと、隼人さんは携帯を耳に当てて、パソコンを見ながらお話し中だった。
だけど、すぐに私に気づき、軽く手を挙げ微笑む。
「――///」
そんな何気ない仕草が、とんでもなく私をドキドキさせる。
本当に、隼人さんは格好いい。
私も微笑み返してからキッチンへと向かい、コーヒーを淹れる為お湯を沸かす。
何度かここに来たけど、隼人さんのマンションは広い。
事務所も兼ねているから…と言えばそれまでだけど、独りで住むには有り余る広さの様な……。
シンプルなラタンの家具で部屋を統一してあって、大きなモンステラの葉がアジアンリゾートの様な雰囲気を醸し出す。
だけど、事務所はモノトーンでまとめられていて、自宅スペースとは全く違う。
全部、隼人さんの趣味?
…なんて、余計な想像力がむくむくと芽をだす。