ほら、笑って笑って
すると、隼人さんは軽くため息をつく。
「……?」
「優衣は、いつまで俺に敬語使うの?確かに一回りも年上だけど、彼女に敬語で話しかけられるのは嫌なんだ。遠慮されてるみたいで。」
そう言いながらちょっと眉を下げて、困った様に微笑む隼人さんは、やっぱり大人だ。
改まって真剣に言われると私も緊張して身構えるけど、その表情で優しく言われると、お願いされたみたいなくすぐったい気分になる。
「今すぐ頑張って直します!」
って、つい言ってしまう。
「……ます。は、敬語だなぁ。」
「…あ。ごめんなさい。って、えっと……ごめん…ね?……かな?」
もう!!
日本語って難しい。
顔を真っ赤にしてあたふたする私を見て、隼人さんはくすくす笑っていた。