ほら、笑って笑って

怒りでプルプル震えていると


「…あ、そうだよな。」


なんて、突然笑うのを止めて拍子抜けするような声を出した。


「ごめん、俺が悪いのか。いや、昼間からこんな所で、人目も気にせず堂々と泣き叫ぶ女がどんな顔なのか気になって……。」


突然真剣な顔して謝り出したその人は、よく見たら、かなりいい男だった。


だから不覚にも、ドキッとしてしまった。



「本当ごめんな。俺、実はカメラマンで……興味があるとついつい撮りたくなって…」



って………

それはつまり、私がよっぽど目立ってたって事……だよね?



やだ、どうしよう。


どんどん恥ずかしさが込み上げてきた。



< 13 / 304 >

この作品をシェア

pagetop