ほら、笑って笑って
「――何でそんな顔、するの?」
「……」
そんな顔?
突然投げ掛けられた言葉の意味が理解出来ない。
隼人さんはカメラを下ろし、少し困った様に微笑む。
「私…変な顔でした?」
「いや、可愛いよ。」
「え……///」
囁く様に言葉を落とし、そっと私の頬に触れてくるから。
ただでさえ早い鼓動が、余計にスピードを増す。
「あんな顔されたら、触れたくなる。それとも、俺の事誘った?」
耳元で囁かれて、首筋がぞくぞくする。
「そんな、誘ってなんて……ん。」
耳に落とされる甘くて優しいキスに、身体は素直に反応してしまい、否定の言葉は弱々しく途切れてしまう。