ほら、笑って笑って
「も…もう、いいです。私も、周りの迷惑とか考えてなかったし」
恥ずかしくてしどろもどろになりながら、とにかくこの場から逃げ出したくて。ご迷惑おかけしましたって、一言伝えてから立ち上がろうとしたのに。
「あのさ、俺でよければ、話聞くよ?」
なんて言いながら、その彼は私の腕を掴んだ。
ひぃぃぃーーー!!
ちょっと!!
イケメンじゃなかったらただの変質者だよ!?
お願いだから素直に帰らして!!
「でも、私かなり恥ずかしい事をしてた自覚が出てきましたので……これ以上ここにいたくないですし…」
一生懸命断ってるのに、私の腕は一向に解放される気配がない。
そして彼は、少しの沈黙の後に口を開いた。
「じゃあ、こうしない?
俺も失礼な事したし、何かお詫びがしたいから……コーヒーでも飲みに行こう。」
「…は?」
「そしたら、さっき撮った写真もその場で削除する。――どう?ナンパだと思ってよ。」
はい???
何言ってるんですか??