ほら、笑って笑って

「…ふぅ。」




残された私は軽く息を吐いた。


そして、少しだけ熱の燻る身体をさます為に、またベランダで雪を見上げる。













"優衣が、今一番撮りたいものだから。"








隼人さんの言葉が頭の中を埋め尽くす。



勝手に思い出しては、勝手に恥ずかしくなって俯く始末。





「……何で、あんなにさらっと言えるのかな?」



なんて、幸せ過ぎる独り言を呟いていた。






そしてこの後も、一人思い返してはニヤニヤしている私の体温を、冷たい雪は中々冷してはくれなかった。

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