ほら、笑って笑って
「――で、どうする?」
「…はい?」
「あまり遠くだと日帰りはきついから、近場でいい?…あ、神奈川の小田原城址公園なんてどう?俺もまだ行った事がないし。」
どう?って…
「…連れて行ってくれるんですか?」
ポツリと呟くと、隼人さんは一瞬目を見開いたけど、すぐにやんわり微笑む。
「優衣がまだ、行った事がないなら。」
「無いです。小田原、あまりよく知らないですし。」
「そう、良かった。それじゃあ一緒に行こう。」
「はい!」
すごく、嬉しい。
仕事だろうけど、これってデートみたいだし。
何だか顔がにやついてしまう。