ほら、笑って笑って

「さて、じゃあ送って行くよ。」





桜の話をしながら二人で夕食も食べ終え、時計を見れば夜の10時を過ぎていた。




「…あ、隼人さん?」

「何?」


「……」






"泊まってもいいですか?"





聞きたいけど中々口に出来なくて。


だけど付き合いだしてから何ヵ月か経つのに、まだ"お泊まり"はした事が無い。



それなりに何度か身体は重ねているけど、そういう事だけじゃなくて。


気持ち的に、隼人さんとずっと一緒にいたいし、一緒に朝を迎えてみたい。




いつだって優しくて大人な隼人さんからすれば、私はまだまだ子供だろうけど。


毎回送り届けられるのは、あまりにも寂しいし物足りなさを感じてしまう。

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