ほら、笑って笑って
「どうして?」
納得出来なくて、すかさず聞き返す。
と、意外な言葉が返ってきた。
「まだ、優衣のご両親に挨拶してないだろう?だから駄目。」
「……え?」
何だかよく意味がわからない。
じっと隼人さんを見つめていると、彼はその大きな手のひらで私の髪をすき、ゆっくりと視線をあわせる為に体を離す。
「ねぇ優衣?もし今日泊まる事になったら、ご両親にはなんて説明する?」
「…え?――特に何も言わない…です。」
「じゃ、泊まって、次の日家に帰って、何か聞かれたら?」