ほら、笑って笑って
「あら、おはよう優衣。休みのわりに早起きねぇ。」
「…うん、まぁ、ね。」
私の姿を見て笑顔を見せるお母さんは、この寒いのに窓なんて拭いていた。
母、高原優子は専業主婦。
字を見れば分かる通り、私は優子の"優"をとって優衣と名付けられた。
今時、親の名前を一字とって、なんてどうなのそれ?そうやって中学生の頃は反抗したけど、今は気にもならなくなった。
優衣、いい名前だと思う。
「何か食べる?」
「いいよ、自分でやるから大丈夫。」
今までは料理なんて興味なかったけど、
隼人さんと付き合う様になってから少しずつ変わってきた。
隼人さんに手料理を食べて貰いたい。
美味しいって喜んで貰いたい。
そんな事を考えて、いつか披露出来るように今は練習中。