ほら、笑って笑って

それから間もなく。


隼人さんは本当に我が家へやって来て。



「優衣さんと真剣にお付きあいさせて頂いてます。」


爽やかにそう言って、お父さんとお母さんに頭を下げた。

(しかも玄関で)



隼人さんのあまりのイケメンぶりにお母さんは目をパチパチさせ、


お父さんは緊張しながらも、

「立派な好青年で安心したよ。」

と笑顔で迎えてくれた。




頭を上げた隼人さんは、一瞬眉をしかめた気がした。


「……?」


何だろう?

気のせいかな?



「隼人さん?どうかしました?」

「…何でもないよ。緊張しただけ。」




そう言って、いつもの様に微笑む。

それからお母さんに促され、二人でリビングへ向かった。




その後は隼人さんの仕事の事とか、私が手伝いをしている事とか、他愛のない話をして。


四人で晩酌しながら、夕飯を食べた。



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