ほら、笑って笑って
「これを、見せたかった。」
お父さんとの対面も無事終了して、初めて紹介した私の彼氏は大歓迎を受けた。
今は、時々我が家にも来て、家族と一緒に夕飯を食べたりする。
毎日幸せ一杯の私。
「…いい加減、敬語やめてくれる?」
「…はい。…あ、うん。」
私を後ろから抱き締め耳元で囁く隼人さんは、とにかく色気たっぷり。
ドキドキして、はい。とか、うん。しか言えない単細胞な私の返事を聞いて、クスクス笑う。
「わ、笑わないで……よ…」
「ごめん、優衣の反応が可愛いから、つい。今だって、"笑わないで下さい"って言いかけただろ?」
確かにそうだけど。
それよりも、耳元で聞こえる隼人さんの声に身体中が反応して、クラクラしてしまう。
「…隼人…さん。」
「さん。は余計。」
私の首筋を唇でなぞり、温かい大きな手でウエストを撫でる隼人さんは、意地悪く呟く。
普段は異常な程優しくて甘いくせに、こういう時はちょっと意地悪。
「でも、呼び捨ては…なんか、出来ない…」
ゾクゾクしながら必死にそう答える。
するとまた、隼人さんはクスリと笑う。
「まぁ、いいかな?名前だけだよ?……その代わり、さんづけでいいから、ベッドで沢山俺の名前呼んでね?」
「///」
その色気たっぷりの笑顔で私の羞恥心を煽り、楽しそうに私を軽々と抱き上げ、ベッドへ運んだ。