ほら、笑って笑って
4月。
暖かい風が吹き、桜は開花し始めた。
テレビのニュースでは連日お花見の中継が行われている。
「綺麗。」
画面に映し出された夜桜は、とても神秘的。
隼人さんのマンション、リビングで一人寛ぐ私はテレビに釘付け。
すると、事務所から声がした。
「優衣、夕飯食べに行こうか?」
そう言われて時計を見ると、18時を過ぎたところ。
今日はもうお仕事終わりかな?
ソファから立ち上がり事務所に向かう。
「今日は終わるの早いね?」
声をかけると、隼人さんは振り返って優しく微笑む。
「行きたい所があるから。」