ほら、笑って笑って


……はぁ。

隼人さんはきっと笑いを堪えてる。


隣は見てないけど、微妙に肩が揺れてる気がするし。



自己嫌悪でため息をついていたら、車は赤信号で停車した。


その瞬間右腕を掴まれ引き寄せられる。



「!?」



あ!と思った時には隼人さんの顔が目の前にあって、唇が重なる。


それから、隙間から舌が入ってきて私の舌に絡み付く。




「……ぁ。」



思わず声が漏れる。


すると隼人さんはすっと唇を離し、にっこり微笑んだ。



「まだ仕事残ってるから、今日はここまででいい?期待に応えられなくてごめん。」


「…///」




…恥ずかしい。


そんな風に言われたら、落ち込む事も拗ねる事も出来ないじゃない。



隼人さんは本当に大人で、まだガキの私の扱い方を心得ている。



< 169 / 304 >

この作品をシェア

pagetop