ほら、笑って笑って


「そうだ。」



隼人さんはくすくすと笑うのを止めたと思ったら、突然声をあげた。



「……?」


「いや、下らない事だけど。優衣のお母さんって幾つ?」


「え?幾つって年齢?」


「そう。やけに若く見えるから、何か気になって。」



本当にどうでもいい事だな。

とは思いながらも、さっきまでのしてやられた様な恥ずかしい雰囲気が消えたから。



「そんなに若くないかな?…50は過ぎてると思う。」



なんて普通に答えた。


隼人さんも

「…ふ~ん。」

と、さほど興味もなさそうな返事を返してきて。


また何事もなかった顔で運転していた。




きっと隼人さんは気を使って、雰囲気を変える為に話をふってくれたのだと思っていた。




だって、大した意味もない会話だし。


それ以上この話が続く事も無かったから。












隼人さん?


貴方はこの時、何を確かめたの?

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