ほら、笑って笑って
どきどきして、後ろめたい気持ちになりながらも、ゆっくり引き抜いたそれは、一枚の写真だった。
「…何?…だ、れ?」
手が震えて、胸が苦しくなる。
仕事の写真なら事務所に整理して置いてあるはずなのに。
これは、明らかにプライベート。
「…どうしよう。」
きっと私は、見なくていい物を見てしまったんだ。
見なければこんなに動揺しなくて済んだのに。
ゆっくりその写真を裏返すと
"優花"
と、隼人さんの字で書かれてあった。