ほら、笑って笑って
…ふと、思った。
社長なら"優花"について、知っているはずじゃないか?
そうだよね?
聞いても大丈夫だよね?
深呼吸をしてから、社長の方を向いた。
「コーヒーどうぞ。」
「わざわざありがとう。」
そう言って微笑む社長は、ケーキをお皿に乗せていて。
「高原さんはチーズケーキでいい?」
「はい。ありがとうございます。」
こくりと頷いてから向かい合わせに座る。
ドキドキと、鼓動が早くなる。
でも、やっぱり知りたいし。
思いきって、口に出してみた。
「…あの、社長は"優花"さんって、知ってますか?」