ほら、笑って笑って
コンコン
部屋をノックする音がして
「優衣?お昼は食べるの?」
ドアを開けてお母さんが顔を出す。
「あ…うん。食べる。」
こんな時でもお腹はすく。
まだまだ私は花より団子なのかな?
「じゃあ、いつまでもゴロゴロしてないで手伝いなさい。」
お母さんは捨て台詞を吐いてキッチンへと戻って行った。
「……」
お母さんは優花さんの事知ってるかな?
テレビで見たことあるかな?
もしかしたら、誰かに、
『優子って優花に似てるね』
なんて言われた事があるかもしれないし。
聞いてみようかと考えながら、渋々ベッドから起き上がる。
そうして立ち上がろうとした時、バッグの中から着信音が聞こえた。